H2Oという物質は、私たちの暮らす地球の環境下で固体(氷)、液体(水)、気体(水蒸気)の三態をすべてとりうる珍しい物質です。そのH2Oに気体が作用すると、さらに複雑な性質を示します。私たちは、そうした水とガスとの相互作用を理解するため、ガスハイドレートやナノバブルなども研究対象としています。

 

ガスハイドレート(疎水性相互作用)

メタンハイドレートという物質をご存知でしょうか。海底に眠る次世代の天然ガス資源“燃える氷”として注目されていますが、水に溶けにくいメタンガスが、氷のような物質の中に大量に含まれています。深海底や永久凍土層などの低温・高圧条件下で安定な物質で、私たちの生活環境下ではめったに見ることができません。メタンのほかにもさまざまなガスがハイドレートを作ることが知られています。私たちは、このガスハイドレートの特性を調べ、水分子とガス分子との相互作用である疎水性相互作用について研究しています。

・Raman測定(大村研、堀研、AIST)

・焼結(志賀、岸)

・Air hydrate(本堂研、新山、大村研)

・TEM観測(石塚、志賀、香内研)

・氷中気体拡散(東研)

・過去のWebサイト

 

ナノバブル(気液界面の相互作用)

ナノバブルは、直径が1ミクロン以下の小さな気泡の総称です。それより少し大きな気泡をマイクロバブルといい、両者とも動植物の生育を促進したり、汚水を浄化したりする驚くべき効果が報告されています。私たちは、こうしたマイクロ・ナノバブル(MNB)がどうしてそのような効果を発揮するのか、またこうした気泡を大量に発生させたり長持ちさせたりするにはどうしたらよいのか、といったことを研究しています。

・MNBの安定化作用(大下研)

・MNBの濃度制御(大森研)

 

Community

H2Oに関する研究者は非常に幅広い分野に属しており、なかなか一堂に会して議論をする機会がありません。そこで、分野を超えた交流の場を組織し、情報交換や共同研究のきっかけづくりを進める活動も行っています。

・低温研研究会(H2Oを科学する)
  2012: プログラム
  2011
  2010

・Fiery Ice WS
  2012 (Sapporo, Japan) Program, short summary (120531ver), 国際研究集会等開催支援報告書
  2010 (Welington, New Zealand) Program
  2008 (Bergen, Norway) 平成20年度池谷科学技術振興財団年報
  2006 (Edinburgh, Scotland)
  2004 (Victoria, Canada)
  2003 (Vina der Mar, Chili)
  2002 (Wasington D.C., U.S.A.)
  2001 (Honolulu, U.S.A.)

雪氷物性分科会

GH研究会

 

教育

一般教育演習

・分子物性学特論